人事目線から見る〜本当に採用したくなる人物とは?
新型コロナウイルスの感染が収束することを見込んで、新卒採用だけではなく、転職市場も活発になってきています。
コロナの影響で先行き不透明な中、採用活動を抑制してきた反動に加えて、ITやDX化で事業領域の拡大や転換、ビジネス・ワークライフの激的な変化に伴い、スキルや経験を持った即戦力としてのスペシャリストを求める傾向に拍車が掛かってきていることが要因のひとつでもあります。
このような状況のもとで、これから転職活動を始めようとする方が気になるのは、いかにして内定を勝ち取るかにあると思いますが、採用する側である採用担当者は、どの様な視点で応募者と対峙し、多くの応募者の中から内定を出しているのでしょうか?
採用担当者が採用したくなる人物とは、一体どの様な人物なのか解説していきます。
1. 採用担当者が採用したい人物像とは、ズバリ「バランス」の取れた人物だ!
採用担当者が「この人は是非採用したい」と思うのは、ズバリ「経験と知識が豊富で、人柄がいい人」つまりバランスが取れた人物です。
例えば、エンゼルスの大谷 翔平選手のような人ですね。
大谷選手を知らない人はいないと思いますが、簡単に紹介すると、日本人でありながら、大リーグエンゼルスで二刀流として大活躍している野球選手です。
2021年は、投手だけではなく、ホームランも量産し、ファンだけではなく相手チームの選手やスタッフへの気遣いや振る舞いが世界中の人々を魅了しました。
その理由は、本業である野球でシッカリと成績を残すだけではなく、立ち振る舞いも非の打ち所がなく、全てにおいて「バランスよく発揮しているから」ではないでしょうか?
あなたも大スターではなくても、日ごろから得意分野でこれまでの経験やスキルを思う存分発揮していることでしょう。
そんなあなたが転職活動で「自己分析」や「面接」に臨む際に利用して頂きたい『フレームワーク』という考え方を説明します。
2. フレームワーク「心技体」でみる3つのポイント
あなたは、「フレームワーク」という言葉を聞いたことがありますか?
ビジネスでは、「枠組み」や「骨組み」として共通した考え方で、課題解決や分析方法、意思決定など様々なパターンがいろんなシーンで使用されています。
採用や転職と直接関係はありませんが、大谷選手の話が出ましたので、「心技体」というフレームワークで考えてみます。
「心技体」とは、精神力(心)・技術(技)・体力(体)の総称で、スポーツ界でよく使われるフレームワークです。
しかし、スポーツ界だけではなく、ビジネスの世界でもこの考え方は十分応用できますので、一つずつ具体的に見ていきましょう。
ポイント1. 「心技体」の『心』とは?
スポーツ界で「心」とは、精神力や志、心構えなどを指します。
それをビジネスに置き換えれば、やる気やモチベーション。そして責任感や協調性、柔軟性といったヒューマンスキルにあたります。
具体的には、応募書類や面接の際に新しい会社でやりたいことや貢献出来ることを熱量込めて書く・表現することが出来なければ、採用担当者には伝わりません。
直接の影響は少ないかもしれませんが、応募書類に誤字がある、面接の際に言い間違いをするなどすれば「それだけの志望度だったのか?」と思われても仕方ありません。
モチベーションを高く維持して、あなたのやる気を採用担当者に伝えましょう。
ポイント2. 「心技体」の『技』とは?
「技」とは、スポーツ界で言えば、その競技で必要な知識や知力、技術力です。
ビジネスに置き換えれば、知識や経験、資格といった専門性であったり、長年培ってきた「コツ」などがこれにあたります。
具体的には、これまでの実績を出来るだけ分かりやすく具体的例や数値を使って説明しましょう。
デザイナーであれば、ポートフォリオを持参したり、Webエンジニアであれば、実際に作成したWebページの画面を見せながら工夫したポイントや貴女の得意とする分野を詳細に説明できれば〇(マル)ですね。
ポイント3. 「心技体」の『体』とは?
最後の「体」は、体力や持久力などスポーツをするうえで土台となる部分であり、ある意味欠かせないものです。
ビジネスで例えるなら、行動力やコミュニケーションなど外から見て分かるものであり、行動の全てです。
やはり、見た目顔色が良くなかったり、おどおどした態度では「この人に任せて大丈夫?」と思われてしまいます。
面接という場は緊張するものですが、笑顔を忘れず、胸を張り自信タップリに受け応えしましょう。
それでは、この「心技体」の3つを兼ね備えていればそれで良いのでしょうか?
それぞれのパーツは素晴らしくても、この3つの「バランス」が取れていることが重要なのです。
一体どういう意味なのでしょうか?
4. バランスを補う方法とは?
面接での質問を完璧に受け答えしたからと言って、必ずしも合格するとは限りません。
それは何故かと言えば、基本的に転職での面接の合否は、絶対評価ではなく、他の応募者との相対評価で決まるケースがほとんどです。
どれか一つでも他の応募者に劣っていると判断されれば×(アウト)なのです。
それに、採用の合否を決めるのは、何も面接だけではありません。
採用担当者は、次のような観点で自分の直感=フィーリングを大切にしているものなのです。
・10年後、20年後に活躍しているかどうか?
・配属先の人が一緒に働きたいと思うかどうか?
・社風に合うかどうか?などなど
それらのポイントを面接を通して自分の”カン”が正しいのか確認・判断しています。
心技体を兼ね備えるだけではなく、人前での振る舞いや電話・メールでの対応だったり、直接関係ないと思われるホンの少しの事でもボディーブローのように効いてくる場合がありますので、常に気を抜かず対応しましょう。
5. まとめです
採用担当者が採用したい人物像を「心技体」というフレームワークで解説して来ました。
面接では、これまで培ってきた経験やスキルなど心技体共に優れた人物だということを思う存分伝えましょう。
そのうえで、あなたの「人」としての『魅力』と掛け合わせることで 『ぜひ採用したい』と思わせる『バランスの取れた人物』だと判断してもらいましょう。
晴れて希望する会社に入社することができたら、あなたがやりたい事を実現して、活躍されることを祈っています。