50歳代なら「貯蓄1,000万円以上」が当たり前?最新データで検証

50歳代なら「貯蓄1,000万円以上」が当たり前?最新データで検証

「老後2,000万円問題」が話題になり、自分には老後の生活資金としてどれだけ貯蓄があるのか確認したり、老後のために貯蓄を始めなければと考えている人も多いのでは無いでしょうか?

あなたの年齢が、50歳代ならその話題はさらに現実味を帯びて来ます。

50歳代では「貯蓄が1,000万円あって当たり前」ということを良く耳にしますが、実際同世代の人は、どれくらい貯蓄しているのか、最新のデータからチェックしてみましょう。

また、その貯蓄は何で保有しているのか?負債はどれくらいあってどのようなものが多いのか?50歳の老後へ向けた貯蓄への心構えについても考えていきたいとおもいます。

最新データから平均貯蓄額をチェック!

2022年5月に総務省が発表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、二人以上の世帯における1世帯あたりの貯蓄の平均額と中央値は、このようになっています。

平均値は高額貯蓄世帯の影響により高い方に引っ張られる傾向にありますが、いずれの額も1,000万円を超えています。皆さんの実態と比較していかがでしょうか?

貯蓄現在高(平均値)1,880万円を下回る世帯は3分の2!

発表された平均貯蓄額の結果をさらに細かく分析すると意外な結果が分かりました。

次の図をご覧ください。

出典:総務省 「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」

貯蓄現在高の平均値(1,880万円)を下回る世帯の合計は、66.6%(前年67.2%)にもなり、約3分の2を占めています。貯蓄現在高が低い階級に集中しているという現実が見えてきました。

貯蓄額1,880万円は何で保有しているのか?

貯蓄現在高の平均金額は1,880万円ですが、どの様な内訳で資産を保有しているのか、次の図で詳しくご覧ください。

出典:総務省 「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」

この様に、全て預貯金で保有するのではなく、預貯金以外にも生命保険や有価証券など様々な形で貯蓄していることが分かります。

しかし、年代別ではどの様な状況なのか、さらに深掘りしてみましょう。

貯蓄額が「1,000万円」を超えるのはいつ?

20歳、30歳代は、未だ年収も低く、結婚して子供が生まれると養育費や教育費、さらに住宅ローンも加わって、貯蓄に回すだけの余裕が無いと考えられます。

貯蓄額が1,000万円を超えるのは40歳代になってからで、子供が成長して、就職や結婚で独立する50歳代でさらに増加し、退職金や親から財産を相続する60歳代になるとその額はピークを迎えます。

詳しくは、こちらの表をご覧ください。

一方で、負債を抱える世帯も少なくありません。

次は、各年代別の「負債額」の平均をチェックしてみましょう。

年代別の平均負債額はいくら?

同じ調査結果の中から、各年代別の負債額の平均を見てみましょう。

詳しくは、下表をご覧ください。

各年代別の共に負債額は、「住宅・土地のための負債」ということで『住宅ローン』が負債額の大部分を占めていることになります。

30歳代、40歳代では、平均負債額が1,000万円を超えています。

この年代では、結婚や出産を機にマイホームを住宅ローンで購入する世帯が多いことが影響していると思われます。

住宅ローン以外にも教育費や養育費など出費が多い30歳~40歳代。大きなライフイベントが続く年代では、あらゆる費目での出費が増え、貯蓄も思うように進まない世帯が多いと思われます。

いざ50歳。老後に向けた貯蓄を

最新のデータから平均貯蓄額や貯蓄している内訳、さらに負債額をみてきましたが如何でしたでしょうか?

50歳代の平均貯蓄額は1,846万円、負債額は692万円で差し引いた純貯蓄額は1,154万円となり、1,000万円は達成しています。

これはあくまで平均値であり、一部の富裕層が平均を押し上げていることもありますので、1,000万円に達していなくても悲観する必要はないでしょう。

大切なのは、個々の貯蓄への意志と行動です。

お金と向き合って貯金につながる行動を取れば、1,000万円も夢ではありません。

しかし、貯金はあくまで「置いておくだけ」の方法で、投資は100%確実な方法はありませんが、「資産を増やそう」とする積極的な行動です。

長期で投資に取り組めば、無理なくリスクをとりながらバランスよく貯蓄として資産を増やしていけるでしょう。まずこれからどの様な生活を過ごしたいのかライフプランを立て、生活費をどの様に貯蓄・捻出していくのか念入りに計画を立ててみましょう。

そうすることで、今から何を始めなければならないのか、具体的な行動も見えてくるのでは無いでしょうか?

【参考記事】

・総務省 「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-」

https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html